
ダイニングテーブル不要論。あえて置かないインテリア
いわゆるLDK空間のある住居を新築、リノベーションされる際に「ダイニングテーブル」をどうするか?キッチンやリビング家具とのデザインの調和についてや、置くと空間が狭くならないかな?と悩まれている方も多いのではないでしょうか?
LDK空間 つまり リビング、ダイニング、キッチン空間ですので、ダイニングスペースには当然ダイニングテーブルが無ければダイニングスペースでないだろ!食事をする場所がいるのでダイニングテーブルが必要!と置く事を前提でLDK空間のインテリアを考えられるのが一般的なのですが、ここではあえてダイニングテーブルを置かない場合のメリット・デメリット及びLDKインテリアプランニングについてお話します。
【目次】
1:ダイニングテーブルを無くすメリット
・物理的にLDK空間を広く使える
・視覚的にもより広く感じる
・DK空間のインテリアを統一し易い
・機能動線が効率的になる事がある
・空いたスペースに個別機能性をあげたスペースを確保できる
2:代わりの食卓機能
・床座スタイル
・ソファダニングススタイル
・キッチンダイニングスタイル
3:まとめ
1:ダイニングテーブルを無くすメリット
ダイニングテーブルを置かないメリットとして下記があげられます。
・物理的にLDK空間を広く使える
当然の事ですが、ダイニグテーブル、チェアを置くスペースが不要になりますので、空間が広々とします。より大きなキッチンやリビングソファ・リビング家具を設置できます。
例えば、14畳の対面式キッチンのあるLDK空間においてダイニングテーブルを無くした事で、リビング側スペースが6畳から8畳分使えるようになります。
【図1】
【図2】
・視覚的にもより広く感じる
ダイニングテーブルの高さは720㎜程度。ダイニングチェアの背もたれ高さは800㎜程度なのですが、先ほどの図面1のようなレイアウトの場合リビング側からキッチン方を見ると間にダイニングテーブルが、逆にキッチン側からリビング方を見るとダイニングテーブルが視界に入ってしまい視界を遮ります。そうするとLDK空間の広がりを損ないますのでダイニングテーブルがない方が視覚的に広々と感じる事が出来ます。
【図面3】
【図面4】
・LDK空間のインテリアを統一し易い
LDK空間に設置する家具として、キッチン・キッチン収納、ダイニングセット、リビングソファセット・リビング収納と大きくわけて3要素あります。そして、キッチンは建築設計中にデザイン・仕様を決めて建築工事中に設置しますが、ダイニグセットとソファセットは少し後から決めて、入居後に置き家具として配置するのが一般的です。建築設計中にすべてコーディネートしたり、すべて統一したデザインで制作するならいいのですが、バラバラに決めるとどうしてもLDK空間のトータルコーディネートが難しくなります。ダイニングテーブルを無くしてキッチンとリビング家具の2票素にすればインテリアを統一し易いという事です。
・機能動線が効率的になる事がある
LDK空間の間取り・キッチンのレイアウトによりますが、機能動線が効率的になる事があります。例えば、下記のレイアウトの場合、キッチン作業スペースに立ってキッチンカウンター上で料理をお皿に盛りつけてから、反対側に回り込みダイニングテーブルに料理を振り返り動作で配膳する動線になります。
【図面5】
レイアウトをキッチンとダイニングスペースを一体型にしたレイアウトでは横移動だけで機能的に効率良く配膳できます。
【図面6】
・空いたスペースに個別機能性をあげたスペースを確保できる
ダイニングテーブルの主用途は食事をするテーブルなのですが、実際のところ物置き場、料理時の作業スペース、子供の宿題する場であったり、書斎のない住居では仕事場や読書する場であったりと多機能な用途として使われている事が多いです。多機能性を有したダイニングテーブルは便利な存在ではあるのですが、その反面常に散らかっていたり、使いにくかったり、別用途の家族と同時間にバッテイングしたり不便な事も多々あります。
ダイニングテーブルを無くす事により物理的なスペースの余裕ができますので、壁面収納を増やし収納増やし整理し易くしたり、ライティングデスクを壁面収納に組み込み使用時のみオープンになる勉強スペース、仕事スペースを設けたり出来ます。個別用途に最適な機能を持たせるので、汎用的なダイニングテーブルより使いやすく整理し易いのは言うまでもありません。
【図面7】
以上のようにダイニングテーブルを無くしてしまえば様々なメリットがある事をお分かりいただけたかと思います。
では、ダイニングテーブルを無くして「どこで食事するのか?」という事になるのですが、次に代替の食卓機能スペースについてお話します。
2:代わりの食卓機能
ダイニングテーブルを無くして、食卓機能を持たせる方法として
・床座ダイニングスタイル
・ソファダニングススタイル
・キッチンダイニングスタイル
の3つのスタイルが考えられます。
それぞれについてメリット・デメリットがありますので詳しく見ていきましょう。
・床座スタイル
リビングソファに組み合わせるローテーブを大きめのサイズにして椅子ではなく床に座り、そこに食卓機能を持たせるスタイルです。昭和初期の日本の狭い住宅ではいわゆる「茶の間」としてこれが標準でした。
【図面8】
デメリットとして
・食事を運ぶのまでの動線が遠くなる
・「食事する場所」と「くつろぐ場所」が同じになりますので、食後すぐに食器を片付けなければならない。
・床座スタイルなので、人によって、立座りが動作が大変、座っている状態が辛い場合があります。
・ダイニングテーブルで食事以外の仕事や趣味活動をする場合がありますが床座スタイルは作業しにくい
等があげられます。
正し、これは床下スペースや床構造によりますが、掘りこたつ風にすればある程度解消されます。
・ソファダイニングスタイル
ダイニングテーブル・ダイニングチェアセットとソファ・ローテーブルセットを融合させたような座面の高いソファーチェアーとテーブルを組み合わせたソファダイニングです。本来のリビング空間に食卓機能を持たせる点は床座スタイルと同じです。
【図面9】
通常の椅子を同じ高さの座面ですので、床座スタイルのデメリットつまり、人によって、立座り動作が大変、座っている状態が辛い、ダイニングテーブルで食事以外の仕事や趣味活動をする場としても作業しにくいという事はありません。
その他メリットとして
・ソファダイニングチェアは脚付が多く、脚付ソファは重苦しくなく床面の視線が通るので床座スタイルより、床面に対しては広く感じます。
・脚付ソファ通常のソファと比べて掃除するのが楽です。
・重さも軽いので気軽にレイアウトチェンジできます。
逆にデメリットとしては、
・食事を運ぶのまでの動線が遠くなる
・「食事する場所」と「くつろぐ場所」が同じになりますので、食後すぐに食器を片付けなければならない。
・通常のリビングソファー、ローテブルより高さがあるので、床座スタイル程部屋が広く感じられる事はない。
・作業し易いソファである代わりに、通常のソファと比べてゆったりと座れるソファではない。

ベンチMD-101BC AD CORE

ダイニングチェアMD-101 ADCORE
・キッチンダイニングスタイル
キッチンにカウンターやテーブルを組み込みキッチン自体に食卓機能を持たせるスタイルです。対面キッチンでリビング側にカウンターを設置する事例は多くありますが、これもキッチンダイニングスタイルの1種です。
但し多くは奥行も狭く横一列なだけで、ダイニングテーブルというよりカウンターですので家族二人や朝食をとる分にはいいですが、家族3,4人で夕食をとるスペースというわけではありません。
例えば畳14畳のキッチン、ダイニグ、リビングが一直線に並ぶLDK空間(図面10)にダイニングテーブルが無くし、もっと大きなテーブルをキッチンと一体型にしたのが図面11、12です。
【図面10】
【図面11】
【図面12】
メリットとして
・食事を運ぶのまでの動線が近くなる
・キッチン、ダイニングテーブル一体型なのでインテリアの統一性がでる
デメリットと言いますか、注意点は、
・一体型なので置き家具程簡単に交換できないので、家族構成に変化があった場合は部分的な改装する必要がる
・従って将来のライフスタイルの変化を想定して作らないといけない
・既成のキッチンではあまりない一体型キッチンですので基本的にはオーダー製作になるので手間がかかる。但しそれ以上にキッチン単体だけでなく、LDK空間全体のインテリア含めオーダー設計しますのでよりインテリアの統一感はでます。
別のレイアウトとして、図面13のような。15.5畳のキッチンとダイニングの並びの横にリビング空間があるマンション等の集合住宅によくある間取りを例にしますと、図面14のようにアイランドキッチンとダイニングテーブルを直列につなげ合わせれば、リビング側からキッチン方を見た視界も統一されより広く見えます。
【図面13】
【図面14】
・壁付けキッチンの場合
さて、ここまで図面10 図面13の対面キッチンのレイアウトをベースにダイニングテーブルを無くした場合のレイアウトについて事例をあげました。
こちらも合わせてご覧下さい
壁付キッチンの場合はどうでしょうか?図面15は14畳のLDKレイアウトです。
【図面15】
壁付キッチンレイアウトの場合は。別記事「キッチンのレイアト〜キッチンの種類と配置について(リンク)」にも記載していますが、キッチン作業場スペースとダイニング食事スペースが共用化されますのでスペース効率はよく、ダイニングテーブルを設置しても8畳分のリビングスペースは確保できます。
しかし逆に、リビング側から直接キッチンの表面(作業側)が見えてしまい生活感を感じてしまいますので、暗示的にキッチン空間とリビング空間の縁を切るダイニングテーブルはあったほうが望ましいと考えます。但し、その場合LDK空間においてダイニングテーブルが中心的存在になりますので、LDK空間の床、壁、キッチン、リビング家具を決める際には、どのようなダイニングテーブルかを決めてから、すくなくともしっかりイメージしてから決めてゆくべきです。

ダイニングテーブルMD-905 AD CORE

ダイニングテーブルMD-107L AD CORE
或いは、キッチン本体と一体型にはしないが、キッチンや壁面収納とともにダイニングテーブもオーダー製作してしまう方法もあります。
【図面16】
同時にオーダー製作すれば、例えばキッチンカウンターとダイニングテーブルカウンターの素材、色、ディテールを統一させたり、LDK空間全体のインテリアデザインしたり出来き、機能的にもデザイン的にも理想の空間を手に入れる事ができます。
3:まとめ
以上、ダイニングテーブルを無くすメリット及び代わりの食卓機能についてお話してきました。一般的に多い15畳前後のLDK間取りを事例にしましたが、LDK空間をデザイン的に統一し空間を広く見せる為には、ダイニンウテーブルを無くすメリットが多いというのが実感です。もう少し狭い10〜12畳程度のスペースに対面キッチンを設置したLDK空間ならなおさらです。
くつろぐ空間と食事する空間が一緒になる、又はダイニング一体型キッチンをオーダー製作する、将来のライフスタイルの変化を想定しないといけない等、生活者のライフスタイルによりけりではありますが、新築やリノベーションされる方は一度検討してみるのもいいかもしれません。
WAILEAは水まわり空間を中心とした、インテリア雑貨、家具の提案・販売、キッチンや洗面化粧台、壁面収納などのオーダー家具のデザイン・製作からインテリアデザイン全般を行っており、キッチンだけをオーダー製作する場合であれ、置かれるLDK空間全体のインテリアデザインとして捉えお客様と対話を重ねながらお客様と共に作り上げる事を主軸としデザインし製作致しております。
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