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1ルームマンション〜キッチン・洗面・リビング家具の融合〜

1ルームマンション〜キッチン・洗面・リビング家具の融合〜

 

1ルームマンション(1R)、1Kアパート等 単身者向け集合住宅に現在住まわれている方や過去住まわれていた経験のある方も多いと思います。

 

1Rや1Kに設置されている「キッチン」についてはどのような感想をお持ちでしょうか?

 

 

「狭くて料理するには不便過ぎて。もっと大きいサイズのキッチンが欲しかった。」

「料理はしないし、お湯沸かす程度だし必要十分。もっと小さくていいから部屋を広くして欲しい」

等の真逆の違った感想が出てくるのではないでしょうか?

 

 

1ルームにおけるキッチンとは「料理する人にとっては小さすぎだが、料理しない人にとっては大きすぎ(不要)」な存在で、様々なライフスタイルの入居者全員の要望を満たす事は出来ないという事かと思われます。

 

 

そこで、本記事は、料理する人にとっても、しない人にとっても満足のいく、1Rや1Kの「新たなキッチン」の在り方について提案していきたいと思います。

 

▽キッチン関する記事も併せてご覧ください。

WAILEAオーダーキッチン~理想の住生活空間を求めて~

 

 

【目次】

1:そもそも1R(ワンルーム) 1Kとは

2:組み込まれたキッチン・住設機器について

3:提案1  キッチン・洗面・リビング家具の融合

4:提案2  洗濯機をビルトインしたキッチン

5:まとめ

 

 

1:そもそも1R(ワンルーム) 1Kとは?

 

「1R」ワンルームとは、文字通りひとつの部屋に居室スペース、キッチン、浴室、トイレ等の設備機器が配置されているのが特徴です。

部屋の広さは20㎡が平均的で、半分の10㎡(約6畳)を居室部分、半分の10㎡に玄関、通路、キッチン、浴室、トイレが配置されています。

 

敷地形状により、各部屋の占有スペースは、間口が広い横長、間口が狭い縦長、正方形等様々なスペースになりますが、コストの安くなる方廊下式の集合住宅で部屋数を一番多く取れる間口が狭い縦長が一番多く一般的な間取りは下記になります。

 

 

 

「1K」とは、1Rに対して居室(部屋)とキッチンスペースに扉があり部屋が完全に独立しているのが特徴です。部屋の広さは1Rより少し広めが多く、居室を居室として広々と使える、部屋に料理の臭いが充満しない等のメリットがあります。一般的な間取りは下記です。

 

 

この狭いスペースに住居として必要な「浴室」「トイレ」「洗面」「キッチン」といった住設機器を詰め込むことになります。

 

 

 

2:組み込まれたキッチン・住設機器について

 

次に1R 1Kにおけるキッチン・住設機器について見ていきますと、

 

 

・浴室・トイレ

20年前は、単身者向けアパートは17㎡程度の1Rが多く、浴室と洗面とトイレが一緒になった「三点式UB」が主流でした。

 

 

時代の流れとともに、スペースも少し大きく20㎡程度となり「浴室」と「トイレ・洗面・脱衣室」に分かれたり、完全に「浴室」と「トイレ」と「洗面」が分れた間取りも増えてきました。

 

その流れと同時に、居室部分と住設機器スペースを完全にわける1Kも増えてきております。

 

1Kにおいては広めの1Rとほぼ同じで「三点式UB」はほぼなく、「浴室」と「トイレ・洗面・脱衣室」に分かれた間取りか、完全に「浴室」と「トイレ」と「洗面」が分れた間取りになります。

 

 

 

 

・キッチン

一方キッチンはどうかと言いますと1Rの場合、間口寸法が狭いので、UB、通路を配置し残りの寸法があまり取れないため奥行500㎜でW寸法は900〜1200㎜のいわゆる「ユニット式ミニキッチン」が設置されます。

 

レンジフードではなく天井扇であったり、1口電気コンロであったりと「キッチン機能」としては機能・性能が低いです。但し、冷蔵庫置き場が確保されていない間取りにおいてはキッチン下部にミニ冷蔵庫が予め付属していたりします。

 

 

 

少し大きめの1Rや1Kでは、奥行600㎜、W寸法は1200〜1500㎜の小型のシステムキッチンとも言えるキッチンが設置される事がほとんどです。

 

家族世帯向け住宅のキッチンの機器とベースはそれほど変わらないレンジフードや2口コンロが組み込みまれており機能・性能的に「ユニット式ミニキッチン」より上です。

 

しかし、キッチンカウンター幅や広さに関しては少し大きくなったところでそれほど変わりません。

 

 

以上のように、いずれにせよキッチンのW寸法は900〜1500㎜です。

 

一般的な家族世帯向けキッチンは最少でも2400㎜〜2700㎜である事からすると、いくら一人暮らしで自分だけの料理をするにしても「狭い」と感じ、逆に料理を全くしない人からすると、「最低の900㎜にして部屋を広くして欲しい」との感想がでるのだと思われます。

 

 

 

3:キッチン・洗面・リビング家具の融合のご提案

 

そこでご提案したいのが、「キッチン・洗面・リビング家具の融合」です。

 

キッチンの限定された機能、つまり「料理する場」がそれぞれのライフスタイルにとって「狭い」「大きい」と感じそれぞれの要望を満たせないわけですから、「料理」だけの機能でなく「食事をするテーブル機能」「仕事や勉強をするデスク機能」「キッチン関連の収納でなく一般の収納機能」等を付けてやり、複数の機能を持たせ自由度をあげてやればいいのではないか?

 

また、洗面や洗顔や歯磨きをする専用の場を同じ水を使うキッチンと融合させたり、デスクの脇に洗面機能を付けて限定的機能である洗面をやめるなど合理性をあげスペースを捻出し部屋を広くすればいいのではないか?という考えに基づいています。

 

先ほどの22.77㎡の1Kと同じスペースでの本提案の平面図は下記です。

 

 

例えば、キッチン横のスペースは、料理をする人にとっては、食材置き場、作業場等キッチンカウンターとしても役目を果たし、W=2400のキッチンと同等サイズになりますし逆に、料理をしない人の場合はキッチンシンクに蓋をしてW=1500㎜のデスクとなります。

 

また、デスクの前に移動式のスライド鏡を設置しそれをシンク方にスライドさせることによりキッチンシンクが洗面化粧台の役目も果たします。

 

デザイン的な観点から言えば、そのまま奥行600㎜のキャビネットやカウンターが部屋まで続くことによりそれが、TVボードや収納クローゼットとなり一体として計画・デザインされていますので、スッキリとした統一したデザイン性も確保できます。

 

 

 

機能性で比較しますと、浴室は同じサイズ、トイレ・少し狭くなりますが洗濯機置き場件脱衣所を設置も同じ。その上で自由な使い方でできる、キッチン・デスクがあり、最大W2400のキッチンになる。収納も増えて、収納と居室スペースも大きくなっています。

 

 

 

デメリットは

・居室とキッチンが扉で分けられていないので部屋に料理の臭いが来る

・賃貸不動産情報「1R」の範疇になり、において、多くの人は「1R」より「1K」を望み検索する事が多く露出しにくい

等あげられます。

 

 

 

4:洗濯機をビルトインしたキッチンのご提案

 

1Rや1Kは、最少面積で必要な住設機器を導入しないといけません。ですので設計する際「洗濯機置き場」の設置は意外と難しい問題で、利便性のある場所(つまりは、浴室の近く)に設置するだけでなく、デザイン性も求めると尚更です。

 

次のご提案は、キッチン下部に洗濯機をビルトインするご提案です。

 

先ほどの平面図のような壁付けI型キッチンの下部に洗濯機をビルトインした事例もあるのですが

 

Kitchen Case18

 

今回は対面式キッチンを1Kや1Rに設置する案について、先ほどと同じスペースでの平面図は下記です。

 

 Kitchen Case17

 

対面式キッチンは料理する側のスペースが「料理する場」としてのみの場所になってしまうのですが、本プランは、背後に浴室を配置しキッチン下部のビルトイン洗濯機を設置、近くに鏡(鏡収納)を設け、キッチン水栓・シンクを洗面として利用する事により、浴室全室(洗面室)的な「場」として機能させました。

 

また、対面式キッチンはキッチンやダイニングスペースとしてだけでなく、勉強や仕事をするデスクとしても機能します。

 

 

この様に、キッチンにキッチンの機能、リビング家具としてのデスク機能、サニタリーとしての洗濯機や洗面機能を持たせ、スペースも限定さない使い方が出来る様にし、入居者のそれぞれのライフスタイルの合わせられる自由度も待たせたわけです。

 

完全に機能を分けたプランに比べて広々とした空間が手に入ります。

 

 

デメリットとして、独立した脱衣所がないので単身者向きで、来客者がいる場合での浴室利用には不向きといったところでしょか。

 

 

 

5:まとめ

以上、1Rや1Kの狭い空間において、キッチンや洗面や家具などの住設機器を融合するして使用者の自由度を上げる事により、空間効率が上がるのではないか?というご提案をしてまいりました。

 

これは、狭いスペースの1Rや1Kだけに限らず、家族世帯向けの住宅にも言える事だと考えています。今や住生活空間(LDK空間)の中心である「キッチン」。

 

「料理」する場としての機能だけでなく、キッチン自体のデザインだけでなく、住生活すべての観点からキッチンの在り様を考え住生活空間の一要素としてデザインすべきだと考えています。

 

 

キッチンに関する下記記事も合わせてご覧ください。

 

 

 


 

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