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オーダーキッチン〜扉の形状・素材の種類について〜

オーダーキッチン〜扉の形状・素材の種類について〜

 

キッチンのデザインを構成する重要な要素として、キッチン扉の面材(素材)があげられます。特に、キッチンをオーダーする上で自由に面材を決めれるのがオーダーキッチンの魅力の一つでありますので、キッチンをオーダー製作で考えられている方はどんな扉形状及び素材があるのか知っておき、最適な扉素材を選定されるのが望ましいです。

どんなキッチン扉の形状があるのか?どんなキッチン扉の素材があるのか?詳しくその特性等についてご説明します。

▽キッチン関する記事も併せてご覧ください。

WAILEAオーダーキッチン~理想の住生活空間を求めて~

 

 

【目次】

1:オーダーキッチン扉の形状について

2:オーダーキッチン扉面材(素材)の種類について

・木製扉「突板」
・木製扉「挽板」
・木製扉「集成材」
・木製扉「無垢材」
・ステンレス扉
・コールテン鋼扉
・セラミック(デクトン)やクォーツ貼り扉
・メラミン扉
・塗装扉
・組子扉

3:まとめ

 

 

1:オーダーキッチン扉の形状について

 

まずは扉の形状についてご説明します。扉形状には、金物の取手を付ける通常の扉と金物取手をつけないJ型取手扉、テーパー扉がございます。

・通常の扉は四方90度にカットさされた厚み20〜25㎜程度の板上の扉の事で、扉自身には手かけがありませんので、金物や木製の取手を付ける事が前提になります。(注:取手を付けずに押したら反動で開く、プッシュラチ扉という扉仕様もございます)

 

 

・J型取手扉とは、扉の一辺がJ型に切り欠かれており、そこ自体が手かけになるので、金物などの取手をつける必要がなくスッキリとしたデザインのキッチンにする事ができます。

 

 

・テーパー扉とは、扉の一辺を45度の斜めにカットされており、そこが手かけになる扉でJ型取手と同じように金物などの取手を付ける必要がありません。

 

 

但しJ型取手と比較して、扉と扉の間に指がはいる隙間(約20㎜程度)がいるのと、テーパー部分にくるキャビネットの幕板が必要ですので、収納の有効高さは小さくなります。

また、後述しますが、扉面材(素材)の種類によってできる扉形状が違います。ステンレス、コールテン鋼、の扉などはJ型取手には出来ませんので取手をつけないデザインにしたい場合、テーパー扉にする必要があります。

 

 

 

2:オーダーキッチン扉面材(素材)の種類について

 

次にどんな素材があるのかについて見ていきます。

 

・木製扉「突板」

突板とは、木材を0.2㎜ぐらいにスライスした木のシートをMDFや合板に張り付けたものです。後述する挽板や無垢材よりコストが安く、素材流通量も豊富なので、好みの樹種の好みの木目を比較的容易く探すことができます。

この突板シートのサイズは幅が200㎜〜300㎜ 長さは2400㎜〜3000㎜程度なのですが、「ブック貼り」と言って横方向に貼る方法として一枚貼って次に反転させて貼る事により、W寸法が3600㎜とか4000㎜とかの家具でも木目が繋がった扉にする事ができます。

横方向に貼るとして、縦の木目はどうなるかと言いますと、そのまま端部を同じ位置から貼ると、板目のうずは同じ位置にでてくるので全体として自然な感じにはなりません。

張り位置をずらして貼る事により、板目のうず位置をずらす事が出来全体と自然な感じに仕上げる事ができます。

下記はW3600のオーダーキッチンでチーク板目の突板を木目を合わせて貼った事例です。

 

 

部分的にずらすにせよ規則的に貼る「ブック貼り」とは違い、もう少しW寸法の小さくした物をランダムに貼る方法を「ランダム貼り」といい、全体として木目を通さず荒々しさを出したい際に採用します。

 

また、他の技術として、「真空貼り加工」という事ができます。「真空貼り加工」とは、平面プレス機では接着できない凹凸のある3次元形状の下地(MDF等)に、突板を熱したアイロンで仮貼りし上面よりゴムを被せ過熱し、下面から空気を抜き取り真空加圧する事で、凹凸のある3次元形状の下地に突板を接着する工法です。

 

従来3次元形状の扉を製作する場合は、無垢の木材を削り出して製作するしかなかったのですが、「真空貼り加工」で制作する事により、扉の反りも解消され製品精度を保ち、様々な突板を選べますので好みの樹種木目で安定した扉を制作する事ができるようになりました。

 

これらの、この突板の貼り方は技術とセンスのいる仕事ですので、熟練の職人がいる工場で制作する必要があります。突板貼りの扉は通常扉、J型取手扉、テーパー扉どれでも製作できます。

 

 

・木製扉「挽板」

 

挽板とは、突板の厚み0.2㎜とは違い、2㎜〜6㎜程度の切り出した板の事です。扉にするにはこの2㎜〜6㎜程度の挽板をMDFや合板に張り付けて製作するのは突板と同じです。

しかし挽板は厚みがありますので、無垢感を感じ、高級感や質感は突板より上で 傷がついたとしても厚みが2㎜以上ありますので下地の合板が見えてくることはありません。また、傷や経年変化の汚れ等を表面を削る事で綺麗にする事もできます。デメリットとしては、突板に対してコストが高くつくのと、突板10枚分以上の厚みですから気にいった木目の木材を探すのに手間と時間がかかるという事があげられます。

 

 

扉形状は通常扉、J型取手扉、テーパー扉どれでも製作できます。

 

 

・木製扉「集成材」

 

 集成材とは 20㎜〜40㎜程度の厚みに切り出された木材を同じ方向に接着した木質材料の事です。

大きな木材を利用しないので、年輪の浅い木から製作され端材なども利用されるので無垢材に比べてコストは安くなり、小さな木材を接着しているので「反り」もなく、扉材やカウンター材に使用されます。端部を削る事により、J型取手扉、テーパー扉形状にもできますが、多くは金物取手を付ける通常の扉とするのが多いです。

 

 

・木製扉「無垢材」

 

無垢材は「反り」の問題があり、普通の家具の扉においては採用する事はほとんどありません。では、どういった扉形状の時に使用するかと言えば、「框扉」にする時に使用します。

框扉とは 上下左右4辺に無垢材を加工して組み立て、中央部にガラスや板を組み込んだ扉の事です。左右の縦方向(木目)の框と上下の横方向(木目)の框を組み立てるので、この骨組みで反る事もなく強度が出るので、中央部のガラス面を大きくする事ができます。クラシカルやカントリー風なデザインテイストの家具の扉に採用する事が多いです。

 

形状的に、J型取手扉、テーパー扉形状にはできなく、金物取手を組み合わせてデザインする事になります。

 

 

四方框を無垢材でなく、突板で制作する事もできます。通常は縦框勝ちですが、トメで納めると、クラシカル風な中にもモダンテイストを演出できます。

 

 

 

・ステンレス扉

 

キッチンワークトップにステンレスは良く採用されますが、扉も同じステンレスにする事ができます。耐水性や耐久性が高く性能が理由で採用する場合ほか、キッチン全体をステンレス仕上げのデザインにしたい場合などに採用します。

 

 

ステンレスの仕上げとして、鏡面、ヘアライン、バイブレーションとあります。鏡面は表面を研磨し光沢を強めた表面仕上げですが、汚れの付着や傷が付いた際目立つのであまり採用はしません。

 


鏡面仕上げ

ヘアラインとは一方向に研磨したもの、バイブレーションは円を描きながら研磨したもので、光沢を出さず髪の毛状の細かい線を入れたマット感のある仕上げで、傷ついても目立ちにくく指紋も付かないのでこのどちらかを採用します。

ヘアライン仕上げ
バイブレーション仕上げ

また、ステンレス素地の色でなく、着色する事もできます。J型取手扉にはできません。

 

 

・コールテン鋼扉

コールテン鋼とは耐候性鋼板とも言い、鉄の表面に銅やニッケルなどで緻密な保護性錆びを作り出しそれが保護膜となり、鉄の内部まで錆びるのを防ぐ鋼板の事です。多くは野外の外壁などに使用する建築建材です。

 

 

その錆び具合が斑で他素材では真似できない自然経年変化の見た目、質感になりますので、意匠的にキッチンや家具の扉材として採用する事があります。

 

 

注:実際に水回りのキッチンの扉に使用する際は、水に濡れてもそれ以上錆が侵食しないような加工をほどこしたり、鉄でなくステンレスをベースに錆びを演出した素材を使う事になります。勿論、コールテン鋼そのものを使用し、経年変化による錆びの浸食を楽しむのもありです。J型取手扉にはできません。

 

 

・セラミック(デクトン)やクォーツ貼り扉

 

キッチンワークトップ素材として採用される、セラミック(デクトン)やクォーツですが、それを扉にも貼り、セラミック、石の塊としてキッチンや家具を見せる事も出来ます。全面、セラミックやクォーツ(人造石)貼りになりますので、非常に重厚感、高級感のあるデザインにする事ができます。

テーパー扉での製作になります。

 

 

・メラミン扉

 

メラミン化粧版とは 単色や木目、石目柄を描いたシートをメラミン樹脂で覆った材料で汚れや水に強く、柄も数百種以上あるので、好みの柄をコスト安で作るには最適な材料です。

但し、突板扉のようにW3000ぐらいの家具の木目をすべて合わせる事はできません。

扉形状は通常扉、J型取手扉、テーパー扉どれでも製作できます。

 

 

・塗装扉

MDF下地に塗装で塗りつぶした扉の事です。塗装は色の調合で無限に色を作り出せますのでメラミン化粧版にはない色にしたい場合などは塗装扉になります。メラミン化粧版にある色であれ、メラミン化粧版の場合、平面のメラミン化粧版を熱を与え折り曲げて二次元で曲げて貼る事はできますが、小口は別メラミンを貼る事になるので、角を突きつけになるのですが、塗装の場合は一体で塗るのでそのような納まりになる事はありません。

 

同じ色でも、艶無し〜3部艶〜全艶と仕上げを変える事もできのが特徴で、塗装して研磨してまた塗装して研磨してと何層にも塗装する(いわゆるピアノ塗装)によって、素晴らしい光沢と微妙に斑になった表面が味わい深い見た目になり、塗装でしかだせない仕上がりにできます。

 

扉形状は通常扉、J型取手扉、テーパー扉どれでも製作できます。

 

 

・組子扉

 

組子とは、釘を使わずに木を幾何学的な文様に組み付ける日本の伝統木工技術です。

 

その「組子」を家具の扉として利用し、和テイストのキッチンや家具を製作する事もできます。一点一点手作業で制作するのでコストは高くなりますが、日本の伝統技術をいかした他には変えがたい家具のデザインができます。

 

下記事例は、その組子と、また同じ日本の伝統技術である着色銅板を組み合わせた事例になります。

 

 

3:まとめ

以上、様々な扉面材についてご説明してきました。キッチンであれ洗面化粧台であれ、扉面材はデザインを決定する上で重要な要素であります。思い描くキッチンのデザインやインテリアデザインに最適ば扉面材を幅広く検討し決定できるのが、オーダーキッチンの魅力です。

 

 

 

 

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