和風旅館の水回り空間~もっとお客様に喜んでもらえる客室へ!~
毎日使用する日常生活に欠かせない洗面空間。それは自宅だけではなく、旅先でも同じです。長期休みの温泉地。都会からはひとときの「憩い」や「癒し」を求めて、多くのお客さんが温泉地を訪れます。今回は和風旅館の洗面空間について考えていきます。
【目次】
1:洗面スペースを広く
和風旅館の洗面所も自宅同様に髭を剃ったり、化粧を落としたり、顔を洗ったり、ヘアセットをしたり、1日で何度も利用する場所です。しかし、旅先では荷物も多く、化粧品などを置くスペースがないと困っている人も多いようです。せっかく日頃の疲れを癒しに温泉地を訪れても使いにくい洗面台でストレスを感じては意味がありません。また、広い洗面空間は非日常を感じさせてくれます。これを実現するために、空間のあり方を改めて考え直してみる必要があります。当たり前だと思っていた機能が、実はあまり必要とされていない場合、思い切ってその機能を省略することで、ゆとりを活かした空間を作ることができます。空間の見直しによって、よりリラックスして仕様できる洗面スペースが実現可能となります。
例えば、このような間取りの洗面空間があるとします。大浴場があっても客室にユニットバスがついているお部屋も多いでしょう。しかし、だいたいはバスタブにお湯を溜めることなく、せっかく1100のスペースで設けた空間も無駄になってしまっています。また、洗面空間と居室は離れたところに設けられ、居室にいる人とは顔を合わせることが出来ない閉ざされた空間となっています。
しかし、このようにリノベーションすると・・・
ユニットバスではなくシャワーブースにすることで900のスペースで無駄なくシャワーが設置出来ます。バスタブがあっても使わないのであればシャワーだけで機能として問題はありません。そして、洗面台とシャワーの間をガラスで仕切ることで空間に繋がりが生まれ、体感広く感じることが出来ます。そして、ユニットバスからシャワーブースに変えることで洗面空間にスペースができ900から1300の洗面台を設置することが出来ます。1300のスペースがあれば、ツイン洗面の設置も可能でチェックアウトなどの時間に制限がありバタバタしがちな旅先の朝もゆっくりと身支度していただける空間にすることが出来ます。
また、居室と洗面空間は統一感のあるデザインにし、間はスライドドアで仕切るだけという間取りにすれば常時開放しておくことも可能で、連続性を持たせた機能を限定しない空間となります。開放して使うことで居室にいる人とコミュニケーションを取りながら洗面台を使うことも出来、旅先での楽しい時間も増えそうです。
2:洗面空間の素材
客室で過ごす時間の満足度を上げる要因のひとつ、統一感のあるインテリアです。居室のインテリアを統一しても、洗面スペースやトイレが統一されていなければ完璧とは言えません。生活感の出やすい水回りをいかにくつろぎの空間に仕上げるか、大切なのはインテリアの素材、そして居室空間との連続性、一体性です。
床・壁タイル仕上げ、クロームメッキの水栓、白い衛生陶器洗面器などは使わず、居室内と同じ素材感、デザインテイスト(例えば床は畳、壁は木目やじゅらく壁調、信楽焼の洗面ボウル、黒の水栓など)にすることで居室と一体感のある空間を作ることが出来ます。
・事例1
Before
↓
After
・石川県K旅館
・ガラス張りシャワーブースにリノベーション
・大浴場があるので、あまり利用されないであろう居室内ユニットバス(バスタブ)を撤去しシャワー機能だけにすることにより、洗面スペースを広くし、広々と気持ちよく使いやすくしました。
・シャワー室部分はシャワーを使用している時しか利用しないので、閉じた空間にするとスペースがもったいないので、シャワーブースの間仕切りをガラスにし、壁、床の素材を同じにすることにより、連続性・一体感を出し、体感さらに洗面スペースを広げました。
・事例2
Before
↓
After
・石川県K旅館
・ガラス張りシャワーブースにリノベーション
・水栓はクロームメッキ、レバー、吐水口という既存水栓のイメージのものは使用せず、空間と一体となる水栓を採用しました。
・水回りと居室の床材を合わせ、一体感・連続性のある空間とし、仕切り扉を開けると空間の繋がりを感じられる演出としました。
・事例3
Before
↓
After
・千葉県Nホテル
・洗面化粧台リノベーション
・居室と同じウォールナット調を基調とした素材感、カラースキーム、直線の中に曲線のアクセントとしたデザインテイストを統一し、居室空間との連続性を確保・演出することによりグレード感を上げました。
・事例4
Before
↓
After
・石川県K旅館
・既存の3点ユニットバスをそのまま利用し内部をリノベーション
・あまり利用されていないであろう居室内ユニットバス(バスタブ)を撤去し、シャワー機能だけにすることにより、コストダウンを図り、さらに洗面スペースを広くし、広々と気持ちよく使いやすくしました
・居室内と洗面空間のデザインを統一し、空間を広く見せました。
3:居室空間との連続性
限られた空間を広く見せる方法のひとつとして、空間の連続性があります。居室空間と水回り空間を自然なつながりで連続性をもたせ、空間同士の摩擦をなくすと、空間の広さを感じ、そこで過ごす人が自然とくつろげる空間となります。ハイグレードの客室で採用されることの多い野外に向けて開放された洗面スペースやビューバスは景色、居室との連続性を確保・演出していますが一般標準タイプの客室の内部にある洗面スペースでも、居室空間との連続性を確保・演出することで、グレード感を上げることが出来ます。
4:まとめ
料理や大浴場などお風呂に力を入れる旅館が多いと思います。しかし、お部屋で過ごす時間というのは非常に長いものです。お部屋の印象も十分旅館の印象になります。そして、水回りというのは人の生活と切っても切れない関係にあります。水回りの空間を工夫することで「また泊まりたい」というリピーター作りに繋がります。
水回りリノベーションで「選ばれる旅館」へ・・・WAILEAでは、店舗の水回り空間のご提案を行っております。フルオーダーでの造作洗面台をはじめ、オーダーキッチン、オーダー家具、インテリアデザインなどもご提案させていただいております。素敵なお店作りのお手伝いをさせていただきたく存じますので、ぜひショールームへご来店くださいませ。(メールでのご相談も受け付けております。)
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